IPでは、最大65515バイトのデータを送ることができるが、よく使われているデータリンクのほとんどは、これよりも小さなデータしか送れない。

データリンクごとに、1つのフレームで送ることができるサイズが決まっており、それを最大転送単位(MTU:Maximum Transmission Unit)という。

例えば、EthernetのMTUは1500バイトと、65515バイトより圧倒的に小さい。 IPヘッダの長さ (20バイト)を差し引くと、1480バイトのデータしか送れないことになる。

また、ブロードバンドネットワークで使われている、PPPoE(PPP over Ethernet)という技術では、プロバイダによってMTUの大きさが異なるが、1438〜1492バイトの域である。

このようなデータリンクで大きなパケットを送るときは、必要に応じて分割処理(IPフレグメンテーション)を行う必要がある。

分割された断片は、終点ホストでの再構築処理により、一つのデータに戻される。

再構築処理は、IPヘッダに含まれる次の情報をもとに行われる。

識別子によって合体すべきデータを判別し、フラグによってすべての断片が届いたかを判断し、フラグメントオフセットの順番通りに再構築を行う。

分割された断片がすべて揃うまで再構築処理はできないが、断片の到着は順番通りとは限らず、多少前後する。