同じ道路を走る車の数が多すぎたり、合流地点にたくさんの車が集まったりすると、渋滞を引き起こす。

ネットワークでも同様に、トラフィック(ネットワーク中を流れるパケットの量)が多すぎる箇所や、支線を束ねるバックボーンでは、渋滞が発生することがある。 ネットワークの世界では、このような渋滞を輻輳と呼ぶ。

渋滞が発生しやすい場所を細かく考えてみると、主に次の3種類が考えられる。

これらは、ネットワークの世界では次のような箇所に対応する。

ルータの内部にはたくさんのキューがある。 パケットを入れようとしたキューがいっぱいだった場合、キューが空くまで待つようにすれば、輻輳が発生してもパケットは失われずに済む。

実際、インターネットの元となったARPANET(Advanced Research Projects Agency Network)では、ルータ間でパケットが失われないように制御していた。 しかし、輻輳が発生した途端に回線が麻痺してしまい、二度と回復することはなかった。

そのため、現在のインターネットでは、ルータが過労死してしまわないように、溜めきれなかったパケットは失われるという仕様になっている。

輻輳が起こった場合の皺寄せをルータに押し付けるのではなく、みんなで力を合わせて輻輳を防止する道を選んだのだ。